抗生剤、胃腸薬、鎮痛剤…
西洋薬はこれまでたくさんの治療に使用され、
たくさんの人や動物を助けてきたことは間違いない事実
だがしかし!!!!
治療の方法はそれだけだと思いますか??
「はい。普通はそのように自分も治療を受けますし、この子もそうですけど。」
そんな風に思われる方が大半だと私は想像します…
西洋薬の役割は確かにスゴイ、でも…
西洋薬の役割は、いわば「針の穴を通す」ような作業だと勝手に思っています
細胞のとある一部分を狙って…とか、
神経伝達物質の代わりとして働いて…とか、
それはそれは、全く目には見えない細かな作業をやってくれてるわけです
まぁ、生理学や薬理学という分野がありまして、
そこで様々な体の詳細な仕組みと、薬がどうやって効くがが解明・研究されていて、
そのおかげで我々はできる限り健康に過ごせているわけです
「あっぱれではないか!あなたは何か文句があるのかね?」
そういうお言葉が聞こえてきました…
先ほど「針の穴を通す」と申し上げました通り、西洋薬というのは
ある一部分に特化した薬剤と言い換えることもできると思います
簡単に言えば、
細かいところはよく見えていますが、
全体は見えていないわけです
すなわち、体全体の状態によっては少量でも効き過ぎたり、
あるいは体の他の場所へ悪影響を及ぼしやすかったりもするわけです
「細かな一部分に特化した薬剤」であるということをよく覚えておいてください
※全部が全部とは言いませんが…
東洋医学に再注目しよう!
東洋医学についてごく簡単に言い表してみれば、
古代の中国から始まり、東アジアを中心に広まった医学の考え方
と言っても良いでしょう(狭義の意味で)
何といっても東洋医学の理念の大きな特徴としては、
体について、ある一部分のみに注視するのではなく、
自然と一体化して調和した存在であるととらえることと言えるでしょう
すなわち自然も含めた「体全体のバランス」を重要視しているということです
したがって、個人の体質によっても人それぞれ治療が変わるし、
その時の体力(状態)によっても治療が変わってくるということです
また、その土地や季節によっても変わってくることがあるでしょう
日本にも中国から漢方薬(生薬)などの書物が流入し、
そこから日本人に合わせた漢方医学が発展したと言われています
したがって、本来の日本の医療というのは、漢方などの東洋医学が中心であったわけです
東洋医学と言えば、代表的な鍼灸治療もしかり
江戸時代には治療として確立されていたと言えるでしょう
後に西洋医学主体の医学が広まっていったことで、
東洋医学は影を潜めることになってしまったわけです
あまりその理由について詳しく触れるつもりはありませんが、
東洋医学は「効果がなかったから廃れてしまった」というわけではないと考えます
特に明治維新~戦後、何らかの大人の事情があって徐々に脇道へ追いやられたのでしょう
東洋医学についてハッキリ言えることは、
西洋医学が確立される以前から発展して歴史は古く、
治療として「すでにしっかり確立されたものである」ということです
上記のことはよく頭に入れておいてください
じゃあどうしたらいいんだよ(怒)
すでに西洋医学が日本の中心となっており、
そこで東洋医学に再注目しろと言われても、
「今更切り替えるなんてできないだろ!」と
お叱りの言葉が聞こえてきます…
確かにおっしゃる通りでございます
どうしても現在は主流からはずれてしまっている東洋医学
テレビを見ても、新聞を開いてみても、あまり見聞きする機会がないように思います
お好きな方が自分でネット検索をしたり、本で読む程度になっている程度でしょう
スポーツ選手でしたら鍼灸治療を受けるケースも多々あるかもしれません
日本人はどうしても世の風潮に流されてしまう性質がありそうです
※院長の個人的な意見です
「 普段からよく見聞きしないこと=胡散臭い 」
ではありません!!!
決して東洋医学は呪術や儀式などのおまじないではなく、
ましてや都市伝説でもないのです
改めて東洋医学の歴史を深堀りしてみていただきたい!
古くから医学として確立され、れっきとした正当な治療法なのです
自ら能動的に、しっかりアンテナをはって情報をとらえていくべき時代に突入しています
今後の世界の展望~治療の選択肢を増やそう~
日本において、人の世界も犬猫の世界も、高齢化が進んでいます
西洋医学のみでは、どこかに限界点があると感じており、
それには東洋医学も組み合わせて対処することが大切だと信じています
普段から選択肢としてとらえていれば、いざという時に動けるはず!!
どうしたって、普通の動物病院(人もそうですが)では、
西洋医学をガンガン使用してそれだけで攻めていこうとする
結局どこかで行き詰って、体が限界を迎えてしまうことになるわけです
そりゃ、体力のあるうちは西洋医学を進めたほうが治りも良いかもしれない
どこかで体力の減少と薬剤の負担増が交差して、そこから一気に限界がきてしまう
なぜなら一般の動物病院は東洋医学なんぞ興味がない、
あるいは治療法として正当なものと考えていないからではないでしょうか???
本当にギリギリになってから当院にいらっしゃる方も多い!!!
そこでようやっと東洋医学を…と言ってもあまりにも遅すぎてしまうパターンが多い
だとしたら、東洋医学を普段から積極的に取り入れていれば、
もう少し体をいたわりながら治療ができるのではないかと私は考えます
どちらか一方、ではなく、お互いにメリットを引き出し合えば良いのです!!!!!
冒頭の通り、西洋医学は細かなターゲットを明確にした素晴らしい治療法です
そこで、体全体を考慮する東洋医学を加えてあげれば…
●東洋医学で副作用を減らしながら西洋医学を続ける、
●西洋医学のみでは細かすぎて難しい部分を東洋医学で全体を補う、
うまく互いの良さを引き出し合いながら使っていけば良いわけです
大切なことは「どちらが優良か、ではない」のです
全国の飼い主様、または一般の動物病院さんに物申したい!!
選択肢はまだまだある!諦めないでください!
西洋と東洋でお互い助け合っていこうじゃないか!!
東洋医学がよく分からないなら、分かっている病院にお願いすれば良い
東洋医学の選択肢も飼い主様に提示できるくらいの度量と知識をつけてほしい
血液検査のこの項目がどうたらこうたら、
X線でこの見え方があったらどうたらこうたら、
細かいところを突けるだけ突けば病気(病名)はほぼ確実に特定できるでしょう
確かにそれも大事だが…
もっと全体を見よ!!
もっと広く視野をとらえよ!!
そしてその動物さんがどのような気持ちでいるのかよく察してあげよ!!
私は大口をたたける大した獣医ではないが、なるべくそのように考えて日々診療をしています
西洋医学を勉強すればするほど、どんどん視野が狭くなって、
全体がおぼろげにしか見えなくなってしまうような気がしてならない
動物における西洋医学が発達すればするほど、
欧米へ留学をしたり、専門医として細かい道を究めていく獣医も増えていくだろう
そのような獣医は各々好きでやったら良いが、それが全てではないと私は思う
色々なタイプの獣医がいて良いし、そうであってこそ、この業界が発展するのではないか?
だとすれば、お互いに助け合おうではないか!!
私は、複数通う病院があって全然良いと思う
患者さんを囲い込もうとする病院の気が知れない
※確かに、病院として存続するためには売上は大事かもしれないが…
それぞれ特徴があり、それぞれの得意分野を提供できれば…
結果的に飼い主様にとって選択肢が増え、色々な知見を得ることができ、
その動物さんにとってより幸せになる可能性が広がると思いませんか??
ご興味のある方はどうぞご相談ください♬
●鍼灸治療・漢方薬・生薬を用いたサプリメントなど東洋医学も交えながら診察いたします
最後まで頑張って読んでくださったあなたには、何とかお力になれるよう精一杯努力いたします